ペッタンコ星人

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「ひとの気持ちの匂い」を嗅いだことありますか。 2007-05-26-Sat

「悪人」:吉田修一(著)
BPbookCoverImage.jpg


ストーリー
福岡に住む保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。(「BOOK」データベースより)


第一章「「彼女は誰に会いたかったか?」
第二章「彼は誰に会いたかったか?」
第三章「彼女は誰に会ったか?」
第四章「彼は誰に会ったか?」
最終章「私が会った悪人」

子供の頃から自分が「ついている」と感じることがまったくなかった。
世の中にはいろんな人間がいて、その中で「ついている人」と「ついてない人」に分類されたら自分は間違いなく後者で、その後者グループで分類されても、やっぱり「ついてない人」方に選り分けられる。自分はそんな人間だと思っていた(p189)


友人に隠れて出会い系サイトで暇をつぶす保険外交員、老夫婦の世話に追われる無口な若者、街道沿いの洋品店に勤める行き遅れた女、寂れた町で理髪店を営む男、金はあるが友人に恵まれない映画好きの学生…

この群像劇は誰一人として幸せな人が出てこない。
でも皆ささやかな幸せを求めて日々を暮らしている。
作者は被害者や加害者、そしてその家族、友人、全ての人々の感情を丁寧に描いているので,そこには安っぽい「同情」めいたモノはなく、更には誰が悪人なのか、という最大の謎も読者一人ひとりに委ねられているので、とっても吉田さんらしい突き放し方だなぁと思いました。


殺した人間、殺された人間、殺した人間を憎む人間、それをあざけ笑う人間…。もしかして普段から多少なりとも見栄をはったり世間体を気にしている自分も悪人なのかもしれません。そして、誰もが心の中にいる「悪人」を飼いならし、綱渡りしながら生きているのかもしれません。


物語の最終盤で、若い登場人物が言います。
「俺、それまでは部屋にこもって映画ばっかり見とったけん
人の気持ちに匂いがしたのは、あのときが初めてでした」


人の気持ちの匂い…生身の人間だからこそ匂う屈折した感情やまっすぐな思い。
普段蓋をして人に嗅がれないようにしていたその匂いが
この本からはプンプン匂ってきました。

ところでこの作品内容もいいけど、このメインタイトルは本当にすごい。久々の長編でしたが、また自分の脳みそに違う種類のシワが増えたというか、それまで知らなかった自分自身の匂いまで嗅ぐことが出来たような気がします。


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