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「ワタクシはいったいあと、どのくらい生きられるでしょう」センセイの鞄 2006-10-08-Sun

センセイの鞄 川上弘美/著

「ワタクシはいったいあと、どのくらい生きられるでしょう」
「ずっと、ずっとです」


あらすじ
駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、
以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、
キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。
歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、
センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。

31419375.jpg

40前の中年女と70過ぎのお爺さんの恋愛物語なんて
ちょっと気持ち悪い、と思う人もいるかもしれませんが、そんな心配は無用です。
静謐だけど激しい、とてもいい小説でした。

「センセイ」はいかにも学校の先生らしく、きちんとしていて、
それなのに、愛嬌があって、いたずら好き。

「ツキ子さん」は…
私の言葉で説明するより以下の部分が彼女の人となりを物語っています。

「小学校のころ、わたしはずいぶんと大人だった。
しかし、中学、高校、と時間が進むに連れて、はんたいに大人でなくなっていった。
さらに時間がたつと、すっかり子供じみた人間になってしまった」(162p)


お互いにいい年なのにかわいらしい。大人なのに頼りない。
そんな二人の掛け合いがほっこりしていて、まるで
美味しそうな湯豆腐の湯気が顔にふわっとかかるような安心感を与えてくれます。

湯豆腐と言えば…

…センセイの家で湯豆腐を食べていた時のことである。
昼間っから、アルマイトの鍋でセンセイが作ってくれた湯豆腐をさかなに、
ビールを飲んでいた。鱈も春菊も入っている湯豆腐だった。
わたしのつくる湯豆腐は、豆腐だけである。
こうやって、知らない人間どうしが馴染んでゆくのだな、などと
昼酒でぼんやりした頭で思っていた(261p)


ツキ子さんはラスト、独りっきりで、鱈と春菊が入った湯豆腐を食べます。
不思議と悲壮感は感じられない、そこにはただ懐かしさと不自由な人間同士の
暖かさが伝わってきます。…というか真面目に湯豆腐食べたくなります。
dre_p02.jpg

ディズニーランドでセンセイが泣く場面もいいし、
最後に出てくる携帯電話のエピソードはとても切なく、微笑ましい。
理由も用事も無い電話って素敵ですよね(無言電話じゃなくて)。

センセイの話す「日本語」もとても心地よく、
全体的にうっすらとただようとぼけた雰囲気もよい。
とにかく終始ゆったりした気持ちで読む事ができました。
ああ、センセイに頭を撫でられたいなぁ。私もまだまだ子供だ(←37歳)。



ところで、これはドラマ化されたんですね。
http://www.wowow.co.jp/drama_anime/sensei/contents.html
主演: 小泉今日子(大町月子)/柄本明(センセイ:松本春綱)
演出: 久世光彦
この「演出、久世光彦」といいうのがいいなぁ。
読んでて何となく向田邦子の世界が漂いつつあったし
彼以外こんな世界を映像に出来る人はいないでしょう。
p_key.jpg

余談ですが5年ほど前、初台のオペラシティ内「アンナミラーズ」の
オープンカフェで、センセイ役の柄本さんが、すごーく年の離れた女性と
何も言葉を交わさず、ただただ延々と本を読みふけっている姿を目撃した事があります。
とても天気の良い穏やかな午後で、そこだけ時間が止まっているような気がしました。
親子にも見えないけど、ベタベタの恋人同士にも見えない。
なんとなくセンセイとツキ子さんの関係に似ているような気がしました。
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