ペッタンコ星人

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この物語の父母に決して共感してはならない~踏み絵のような物語「赤い指」 2006-09-19-Tue

東野圭吾 著「赤い指」
20060907045345.jpg

ある日、平凡なサラリーマンが仕事を終え帰宅すると、
庭に少女の死体が転がっていた…。
殺したのは引きこもりがちな自分の息子。さあどうする?

A息子を警察に連れていく。
B一家心中する。
C息子の罪をかぶり自分が自首する。
D息子を殺して自首する。

…いろいろ考えましたが、この物語の主人公(父親)は
『息子を警察につれていく』でも『一家心中する』でもなく、なんと
『呆けた自分の母親に罪をかぶせる』というなんとも恐ろしい選択でした。
地獄という場所があるならまちがいなくファーストクラスで地獄行きです。

この愚かな家族と平行して、東野作品ではお馴染、
加賀刑事の家庭も同時に描かれていきます。
こっちの家族は事件と直接的な関わりあいはないので、
この辺で『ああ、作者は現代家族の暗い現状は表向きで、
本当は家族のあり方が書きたかったんだな』という事がわかります。

宮部さんの『名も無き毒』を読み終えた時
「やりっぱなしだ!」とかなり腹を立てましたが、
東野さんはそうではなかった。
ちゃんと希望をくれた。正しい道を示してくれた。
この作品のラストは、数ある東野作品の「最後の一行」の中でも、
かなり上位なんじゃないでしょうか。

私の好きな東野作品の「最後の一行ベスト」はこの二つ。
20060919043300.jpg20060919043318.jpg

あまり語るとネタばれになるので控えますが、この本はよみ終えた後、
埃だらけの家族のアルバムをひもときたくなる、そんな物語でした。
親でも子供でもいい、『家族』という形を知っている総ての人が読むべき本だと思います。
題材が重いからか、文体をわざと軽くしてあるようなので、
思ったより軽く読めます。
臭いモノに蓋をするように、ずっと読みたくないと思っていたのですが、
蓋を明けて良かったと改めて思いました。

お正月は家族で旅行にいこう!明日実家に電話しないとな。

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