ペッタンコ星人

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「生きているだけで死にそうになる」~劇団ひとりの「陰日向に咲く」 2006-03-13-Mon

陰日向に咲く/劇団ひとり (著)~幻冬舎
20060312234857.jpg

帯のコピー
「ビギナーズラックにしては上手すぎる。あと二冊は書いてもらわなきゃ」
恩田睦(作家)


劇団ひとり
1977年千葉県生まれ。父の仕事の関係で幼少期をアラスカで過ごす。
1992年デビュー。コンビ「スープレックス」を結成するが2000年に解散。
総勢10名のキャラクターを演じる一人芝居で注目される。



よく遊びにいくブログで紹介されていたので、さっそく近所の本屋に行って
「劇団ひとりの短編集を探しているんですが」と店員さんに告げると
店員さんはどこからかこの本を持って来て言った。
「これはエッセイですよ」。

・・・・多分劇団ひとりが小説など書くはずがない、と思ったんでしょーね。
勝手に決めないで欲しいです。

最近、あまりにも本の知識がない店員さんが多くて困ります。
一応プロなんだから、話題作くらいは知ってて欲しいです。
因みに先日違う書店で「向田邦子さんの”眠る杯”を探してるんですが」
と尋ねると、メモとシャーペンを差し出し「ここにもう一度著者名を書いて下さい」
と言われ愕然としました。だって向田邦子ですよ!
お昼にランチを食べに行って「今日のお薦めパスタは何ですか?」
と聞いたら「少々お待ち下さい」と慌てて厨房へ逃げ帰るバイト君に似ています。

話が脱線してしまいました。「陰日向~」に戻ります。
えっと、正直ビックリしました。
劇団ひとりという芸人にまったく興味がなかったのですが
こんなに才能がある人だとは知りませんでした。
突然絵を描きだしたジミー大西級の驚きです。
20060312235022.jpg

これは一見短編集に感じるのですが、読み進んでいくうちに
計算された長編群像劇である事が分かります。
各章で話は一応完結するんですが、実は各短編同士を微妙にリンクさせているんです。
そしてリンクして始めて一つの作品に仕上がっている。
ひとりさん、デビュー作からいきなり映画化を意識して書いたのでしょーか。
すでにそんな話も持ち上がってるみたいですね。
劇団ひとり処女小説 争奪戦激化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000020-spn-ent

内容の方ですが、要約すると「負け組みたちの弱々しい叫び」。
私が一番すきな第二章「拝啓、ボクのアイドル様」では
アイドルに貢ぎ過ぎてホームレス寸前の生活を送っている若者がこうぼやきます。
「生きているだけで死にそうになる」
「デパートで服を買うためには、まずデパートで服を買うための服を買わなくてはならないらしい」

しかし第四章「Overrun」では、
ギャンブルで借金苦の駅員が、駅のホームで泣いている少女にこう言います。
「俺にも悩みはたくさんあるぞ。でもな、思うんだ。
人生はギャンブルだ、すべてに勝ち負けがあるんだ。
でも悩みは決して負けじゃない。悩みは、まだ結果じゃなくて経過なんだよ

まったく売れない芸人、夢もないのに無理やり夢を語るフリーター
ホームレスに憧れるビジネスマン、ストリップで世界平和を訴える女・・・
この物語には最近流行の「ニート」に属する人は一人も登場しない。
皆それぞれにどん底状態ではあるのですが、それなりに働いていて、必死に生きている。
そして必死で生きているのにも関わらず幸せになれない事に腹を立てている。

勝ち組・負け組という言葉は、誰が聞いても気持ちの良いものではありませんが、
「負け組も勝ち組も経過に過ぎない。諦めるな、結果はまだ出ていない」
というメッセージがこの本からは伝わってきます。

同じような手法で伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」という名作がありますが、
本作はラッシュ~をもっと簡単にして敷居を低くしてあげた、という感じです。
思わず噴出したかと思えば、次の瞬間には涙を流している。
そして最後は清々しい気持ちで本を綴じる事が出来る、そんな本。


ラッシュライフ~伊坂 幸太郎 (著)
並走する五つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
バラバラに進む五つのピースが、最後の一瞬で一枚の騙し絵に組み上がる。
新潮ミステリー倶楽部賞受賞第一作。

20060312235112.jpg




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