ペッタンコ星人の日記です

フランスに出張中の友人から写メールが届きました。セナンク修道院というところのラヴェンダーだそうです。便利な時代になりましたね。ついでに香りも一緒に添付できればもっといいのですが。



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「悪人」:吉田修一(著) 
ストーリー
福岡に住む保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。(「BOOK」データベースより)
第一章「「彼女は誰に会いたかったか?」
第二章「彼は誰に会いたかったか?」
第三章「彼女は誰に会ったか?」
第四章「彼は誰に会ったか?」
最終章「私が会った悪人」
子供の頃から自分が「ついている」と感じることがまったくなかった。
世の中にはいろんな人間がいて、その中で「ついている人」と「ついてない人」に分類されたら自分は間違いなく後者で、その後者グループで分類されても、やっぱり「ついてない人」方に選り分けられる。自分はそんな人間だと思っていた(p189)
友人に隠れて出会い系サイトで暇をつぶす保険外交員、老夫婦の世話に追われる無口な若者、街道沿いの洋品店に勤める行き遅れた女、寂れた町で理髪店を営む男、金はあるが友人に恵まれない映画好きの学生…
この群像劇は誰一人として幸せな人が出てこない。
でも皆ささやかな幸せを求めて日々を暮らしている。
作者は被害者や加害者、そしてその家族、友人、全ての人々の感情を丁寧に描いているので,そこには安っぽい「同情」めいたモノはなく、更には誰が悪人なのか、という最大の謎も読者一人ひとりに委ねられているので、とっても吉田さんらしい突き放し方だなぁと思いました。
殺した人間、殺された人間、殺した人間を憎む人間、それをあざけ笑う人間…。もしかして普段から多少なりとも見栄をはったり世間体を気にしている自分も悪人なのかもしれません。そして、誰もが心の中にいる「悪人」を飼いならし、綱渡りしながら生きているのかもしれません。
物語の最終盤で、若い登場人物が言います。
「俺、それまでは部屋にこもって映画ばっかり見とったけん
人の気持ちに匂いがしたのは、あのときが初めてでした」
人の気持ちの匂い…生身の人間だからこそ匂う屈折した感情やまっすぐな思い。
普段蓋をして人に嗅がれないようにしていたその匂いが
この本からはプンプン匂ってきました。
ところでこの作品内容もいいけど、このメインタイトルは本当にすごい。久々の長編でしたが、また自分の脳みそに違う種類のシワが増えたというか、それまで知らなかった自分自身の匂いまで嗅ぐことが出来たような気がします。
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やっと行ってまいりました!!
*向田邦子 果敢なる生涯http://www.setabun.or.jp/mukouda/mukouda.htm
向田邦子という人。
テレビドラマ「寺内貫太郎一家」「あ・うん」「阿修羅のごとく」などで人気を集め
「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で直木賞を受賞した。翌年の1981年8月22日、取材旅行先の台湾で飛行機事故のため亡くなった。享年51歳。
現在でも根強い人気を誇る作家・向田邦子さんの生涯を振り返る企画展
「向田邦子 果敢なる生涯」に行ってまいりました。
噂には聞いていましたが、20代の女性から80歳くらいのおばあちゃんまで、
本当に向田ファンは年齢層が幅広い。
とにかく30年近く前に亡くなったとは思えないほど、
向田さんの作品は今もなお世代を超えて受け継がれています。
入り口から聞こえてくるアン・マレーの「You needed me」はテレビドラマ「幸福」のテーマ音楽。
そこから続く向田さんの年表。ここで既に私は涙ぐんでおりました。
雑誌「映画ストーリー」の編集に従事するかたわら市川三郎のもとで脚本を学び
本格的に作家として独立、活動を開始。20年間で1000本以上の作品を手がけた向田さん。
執筆のかたわら、女性が気軽に寄れるお店を作ろうと、
妹と赤坂で小料理屋「ままや」の経営にも挑戦。
40代で乳癌を患い、51歳で直木賞を受賞。
さあこれから、という翌年、飛行機事故であっけなく他界。
美味しいものとお酒が大好き、素敵な友人がたくさんいて、家では2匹の猫が待っている。
こう書けば気ままな独身貴族に見えるかもしれなけど、時代は昭和の真っ只中。
女性が独りで生きていくということは
今では想像できないほどの勇気と信念が必要だったと思います。






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ガッカリしています。本の内容にガッカリしたのではなく、
「やっと出会えた」と思えた人が既にこの世にいない、という意味で。
『14歳からの哲学』池田晶子著/トランスビュー/1200円
人は14歳以降、一度は考えておかなければならないことがある
今の学校教育に欠けている14歳からの「考える」のための教科書。
「言葉」「自分とは誰か」「死」「家族」「社会」「理想と現実」
「恋愛と性」「メディアと書物」「人生」等30のテーマで考えるきっかけを与える。(アマゾンより)
お願いだから読んで下さい(ペッタンコより)
偽物ばかりが横行する今の世の中を生きていくのは本当に大変だ。
でも、偽物の人生を生きて死ぬよりは全然大変なことじゃない。
だから本物の人間になろう。
君は、君だけは本物を見抜ける本物の人間になろう(本物と偽者p128)
自分の中でモヤモヤと渦巻いていた違和感が、この本を読んで吹っ飛びました。
決して「正解」が書いてある本ではありません。「正解」を探すために
人間は考えなければいけない。情報に頼ってばかりではいけない。
情報は「知識」ではない。ただの情報を自分の知識にするために
人は考えなければいけない、という当たり前の事を今、いかに人は忘れているか…
広辞苑で思いっきり頭をぶん殴られた気分です。そうか、そうだったよね、と。
久々に折れ目だらけ。2時間にして新品の本はボロボロになりました…
題名こそ中学生向けですが、これはある程度物心がついた人間全員が
読まなければいけない本だと思いました。不思議に思う→考える→知る
という当たり前の事を、最近多くの人が放棄している気がします。
何でも正解を知りたがる、正解を誰かが投げかけてくれるのを待っている。
もしそれが正解じゃなくても、世間がそう言っているなら正解だと思ってしまう。
なぜなら、その方が楽だから。でもそんな人生で本当に満足できるのでしょうか。
因みに池田さんは「絶対に間違えがないのは古典なんだ」と言っています。
古典は、考える人類が、長い時間をかけて見抜いた本物、本物の言葉なんだ。
消えていった幾千の偽物、人の心に正しく届かなかった偽の言葉の群のなかで
なぜその言葉だけは残ってきたのか、はっきりと分かる時、
君はいにしえの賢人たちと等しい知識を所有するんだ。
これはネットでおしゃべりするなんかよりはるかに素晴らしいことじゃないか。
(メディアと書物p136より)
メディアの策略で流行している本やドラマ、音楽、映画、ライフスタイル…
この世には本物と偽物が同じ土俵で同じ顔をして並んでいる。
それを見抜くのは大変だけど、見抜いた時の喜び、それを人と分かち合って得る共感、
そして「もっともっと本物に触れてたい」という好奇心。
それこそが自分の人生を豊かにするものなのだなぁ、と思いました。
最近問題になっている「いじめ」「自殺」等については、
つまらない友達と無理して一緒にいるのではなく
まずは自分で孤独と向き合う事から始める、自分と対話しようと投げかけています。
本当の友情を知るということは、人生のひとつの喜びだ。
うわべの付き合いだけの友達の多さなんかより、たった一人でも
君はそういう友達を見つけるのがいい。
大丈夫。そう思っていればそれは必ず見つかるよ。
それまで君は自分の孤独を、うんと豊かにして待っているんだ。
だって、そうでなければ素晴らしい友達が現れた時、
君は彼に答える事が出来ないじゃないか(友情と愛情p101)
…すべて大人に通じる事ばかりです。
むかし何かのコピーで「中学生は大人のはじまり」というのがありましたが
自殺したり、周囲に溶け込めなくて悩んでいる人は子供だけではありません。
池田さんは「悩むのではなく、考えよう」と言っています。
考える事と悩むことは別なのだと。
考える、という当たり前の事が、今とても大事なのかもしれません。
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先日49歳という若さで亡くなった池田晶子さんの本をドバッと買いました。
ちょくちょく見る「さとなお」さんの日記http://www.satonao.com/で
「同時代に生きられて光栄だなぁ、と思える人をまたひとり失ってしまった」
とあったので「池田晶子って誰!?」とすっ飛んで本屋に向かったのでした。
「池田晶子さんの『14歳からの哲学』を探しているんですが」と聞くと
男の店員さんが「出版社はわかりますか?」と聞くので「知りません」と即答。
すると、とっても困った顔をするので「出版社が分からないとダメですか?」と聞くと
隣にいた女の店員さんが「これで調べられるでしょ?」とパソコンを指している。
またまたとっても残念そうにパソコンで検索する男性店員。ズラっと出てくる作品リスト。
「何をお探しですか?」「(だーかーらー)『14歳からの哲学』です」。
少々お待ちください、と探しに行く店員。しばらくして帰ってくる。
「在庫切れですね」「じゃあ池田晶子の本ならなんでもいいです」
またまた探しに行く店員。30秒もしないうちに戻ってきて
「申し訳ありません、当店では扱っていません」「…1冊もないんですか?」
こんな事がないように出来るだけデカイ本屋を選んだつもりだったのに、と
ガッカリしていたら店長らしきおじさんがいきなり現れて
「お客様、ご案内します」と奥の方に歩いていく。ついていってみると
そにこはズラーっと池田晶子コーナーが!オイオイ!こんなにあるじゃねーか!
という事で「一冊もない」から「たくさんある」に変化してしまったので
一冊しか買わない予定が、嬉しさのあまり4冊も買ってしまいました。
これは本屋の作戦なんでしょうか。とにかく読んでみます。
池田晶子 1960年生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。
専門知識や用語に頼ることなく、日常の言葉によって「哲学するとはどういうことか」を
語ることで、多くの読者を集める。現代の思潮や流行している解釈に迎合せず、
自分の考え、自分の言葉だけで存在と宇宙について思考をめぐらしている
著書「14歳からの哲学」は27万部のベストセラー。
2007年2月23日、腎臓癌のため死去。46歳。
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